小学校からの英語学習の義務化に母親たちの反応は?

英語学習の義務化

英語学習の低年齢化には賛成。けれども、問題は多い。

次期学習指導要領では平成32年度から小学校5、6年生は英語が教科化される(成績がつく)」方針となっています。その方針に関して、年少クラスから小学校6年生までの子供を持つ母親1102人からアンケートを実施しました。
調査は㈱ジャストシステムが自社のネットリサーチシステムを使用して実施しています。

「平成32年度から小学校5、6年生で英語が教科化される方針です。その件に関するあなたの考えについて、最もあてはまるものを1つだけお選びください」というアンケートに対して『賛成』が30.7%、『どちらかというと賛成』が32.9%という過半数を上回る結果でした。
また「平成32年度から小学校3~4年生で外国語活動の授業が開始される方針です。その件に関するあなたの考えについて、最もあてはまるものを1つだけお選びください」というアンケートには『賛成』が34.9%、『どちらかというと賛成』が33.9%と、こちらも過半数を上回る結果となりました。
小学校からの英語学習、アンケート

どちらのアンケートでも『反対』・『どちらかというと反対』という意見は1.7%〜4.6%にとどまり、英語教育の低年齢化に熱心な母親が圧倒的多数を占めていることが確認できる結果となりました。

しかし、大規模な改正には問題はつきものです。
「小学校の英語授業が大きく変わることに対して、あなたが思う懸案事項はありますか?あてはまるものを全てお選びください」という問いに対しては
「英語を教える先生の英語力」が最多の49.0%
「英語に対する子供の興味関心」が34.2%
「授業数が増えることによる子供の負担」が23.0%
「英語以外の教科に対する、学校や先生の姿勢」が19.8%
「英語の予習復習用の家庭用教材購入など、家計の負担」が19.8%
「英語の予習復習をする子供に付き添う自身の負荷」が18.2%

以上の結果から、「英語学習には大いに賛成だが、子供自身を含む環境の変化に対応できるかが心配」という不安を感じている母親が多くいることが伺い知れます。
英語を話せることは国際的に重要ですが、話す英語の下地となるのは母国語である日本語よる思考です。
小学校5,6年生といえば、日本語の語彙が増え、言葉による表現が圧倒的に増える時期でもありますから、その時期に英語を取り入れることは、「英語は話せるが、英語を使って何かをする人には成り得ない」という危険をはらんでいます。

また別のアンケートでの「お子さまが小学校5、6年生になって、英語が教科になるまでに、あなたはどの程度までお子さまに英語を習得させておきたいと思っていますか?あてはまるものを全てお選びください」という問いには
「英語のヒアリング力をつけておく」が53.0%
「英語で挨拶や道案内など、簡単な会話ができるようにしておく」が37.3%
「聞く・読む・話す・書く、全ての基礎を身につける」が37.3%
と、小学生のうちにある程度の英語の基本を身に付けておきたいという気持ちが強いようです。

今回のアンケート全体から考察しますと

今後将来、さらに国際化が進む世界における『コミュニケーションの壁』対して、国も、母親たちも、ある程度の危機感を抱いているようです。来たるべき国際社会に対応できうる人的資産の下地を、小学生のうちから作っておきたいという希望を持った母親が過半数を超えるという事実は受け止めるべきですが、それにともなうデメリットも考えなければなりません。
英語が話せるという選択肢は、可能性を広げるという意味ではとても良いことです。しかし、広すぎる可能性は逆に可能性を制限してしまうのも事実です。
先にもふれましたが「英語は話せるが、英語を使って何をするか?」という質問に対する答えと、「英語学習の低年齢化すべきか?」という質問は広い意味では同義です。
そして、その答えを出すのにはもう少し時間がかかるようです。

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